歯の豆知識
なぜ成人歯科健診って大事なの?
40歳以降は、歯の喪失原因である歯周病が急増する時期です。歯周病の怖いところは歯を失うばかりでなく、多くの全身疾患と大きく関わりがあることです。
ここで、日本人の死亡原因と照らし合わせて考えてみましょう。死亡原因の上位に上げられているのは、第1位 ガン、第2位 心疾患、第3位 脳血管疾患、第4位 肺炎という順番になります。
最近の研究によると、これらの病気を引き起こす原因の一つとして、歯周病が扱われるようになってきました。
歯周病と全身疾患の関わり
お口の中が健康な人と比較して、歯周病の患者さんでは、致命的な心臓発作が起こる確率は2.8倍も高いことが報告されています。その原因として考えられているのは、歯周病を引き起こしている細菌が毛細血管に入り込み、血液の流れに乗り心臓に到達し、心臓の血管の内壁にとりつき、血管の太さを狭める物質を作る作用を手助けしてしまいます。同様に、脳の血管でも同じことが起こると考えられ、これらが、心臓血管障害や脳血管障害を引き起こす要因の一つと考えられます。また、歯周病菌が気管に入り込むことにより、気管支炎や肺炎を起こす危険性が高くなります。
この他にも、歯周病による全身疾患として糖尿病も挙げられますし、また、妊婦さんの場合には、低体重児出産や早産の確率が約7倍も高いことなどが報告されています。
体は一つです!
皆様の体は多くの細胞によって構成され一つの個体を形成しています。口・体・頭・手や足などと分けて考えずに、すべて繋がっていることを再認識しましょう!ご自分の体なのです。
食べ物は口から入り、まずは歯によって食べ物を噛み砕き、飲み込みやすくするのと同時に唾液と混ざって最初の消化が起こり、それから更に胃で消化され、腸に行き栄養分が吸収されます。歯周病菌は、食物とも一緒に体の中に取り込まれてきます。
体の健康を維持することの出来るのは、あなた自身です。
お口に自信のある方も、お口に自信のない方も、自分のためにも、ご家族皆様のためにも、成人歯科健康診査を受けましょう!
(社)相模原市歯科医師 地域歯科保健委員会
<お問い合わせ先>
(社)相模原市歯科医師会 電話 042-756-1501